
三十四階の灯り|Ryu
https://note.com/r_sugawara/n/nc051b0426863?sub_rt=share_pw
※本作は創作小説です。筆者個人の体験をそのまま記したものではなく、実在の人物・団体・出来事とは関係ありません。 さやかのことを思い出すとき、私はたいてい、月島のタワーマンションの三十四階を先に思い出す。 窓の外には、隅田川と晴海運河のあいだの水辺がひらけていた。夜になると、街の灯がその水の上でほどけていた。高い部屋というのは、地上の生活から少しだけ切り離されていて、そこだけ別の空気が流れているように思える。私は毎週のようにその部屋へ通っていた。いま振り返ると、私が通っていたのは眺めのためでは...