
長い影のあとで|Ryu
https://note.com/r_sugawara/n/nd47281ff0616?sub_rt=share_pw
※本作は創作小説です。筆者個人の体験をそのまま記したものではなく、実在の人物・団体・出来事とは関係ありません。 澄子と出会ったのは、ひとつ前の恋が終わりきらないうちだった。 年上の女と数年を過ごし、その明るさに照らされながら、私はようやく、自分がこの世界に戻ってきたのだと信じかけていた。閉ざされた精神の共同体を離れてから、ずいぶん時間は経っていたが、ほんとうの意味では、まだ地上に足をつけていなかったのだと思う。 そんな時に、澄子は現れた。 最初に会ったのは古い都だった。 石畳と寺の影、乾いた夕...